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2009年11月23日 (月)

NHKのETV特集で辻井伸行氏に感動しました

22日夜にNHK教育で放送された、ETV特集「ピアニストの贈り物~辻井伸行・コンクール20日間の記録」を視聴しました。
ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールでの活動を中心としたドキュメンタリーでしたが、改めて、彼の偉業に感動しました。
もちろん、今年の6月に受賞自体を聞いた時にも「スゴイなぁ」と思いましたが、コンクールについては無知な状態だったのです。

クラシックのコンクールというと、「のだめ~」程度の知識しかなくて、自分が選んだ楽曲と、主催者の挙げたいくつかの課題曲から選択して、予選~ファイナルと演奏を進めていくものだと思い込んでいました。勿論、そのようなコンクールもあるようですが…

放送によれば、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールの場合は、冠である「ヴァン・クライバーン」氏が、第1回チャイコフスキー国際コンクールの優勝者で、それを祝して設立されたもので、参加者は、どちらかと言えば現時点の技術よりも、将来の伸びシロを重視し、コンサートでの活躍が期待される演奏者としての力量を求める、現実路線のコンクールのようです。

実際に、コンクールの29名の参加者は、12名のセミファイナル、6名のファイナルで金・銀・クリスタルの上位3名を決める関門があり(本年は優勝2名・準優勝1名・3位の該当者無し)、それぞれの関門を抜けるために、メインとして参加者自身が決めた楽曲でのピアノリサイタルを、相当な数、重ねていく必要があるそうです。
それに加えて、セミファイナルでは弦楽四重奏とのコンサート、ファイナルでは2曲のフルオーケストラとのピアノコンツェルトを、演奏者自身が決めた楽曲で演奏しなくてはならず、20日間に渡るコンクール期間中の演奏曲数としては、非常に多いと感じました。

視覚障害というハンデを抱えた辻井氏にとっては、短期間に数多くの楽曲を演奏する上に、弦楽四重奏・フルオーケストラとのコンサートをこなすには、多くの困難があったことは、放送を見れば自明でありましたが、言葉の壁以上に、他の演奏者・指揮者との調和を乗り越えたことは、見事の一言でした。彼の聴力そのものと、そのセンスに感嘆するばかりです。

3連休の中日で、気候も悪い一日でしたが、その夜に、素晴らしい演奏とドキュメント番組を観る事が出来て、恵まれた日でした。

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